2023年 3月16日 駐ウルグアイ浅利大使との面談
日本ウルグアイ協会中村会長が大使会議で一時帰国の駐ウルグアイ浅利秀樹大使と面会し、お話を伺いました。会長からの報告です。
日時:2023年3月16日(木)16:00~16:45
場所:外務省内カフェ・ハウス
大使から外務本省経由で面談の要請を受けたが、従来、大使会議で大使一時帰国の際は会で前日にメンバーを集めて昼食会を催し、そこに大使をお招きして「お言葉」を頂くことにしていたが、今回はコロナ禍のせいもあり、本省担当官からの連絡が1週間前と急だったので、このような形になった。それ故、本日の大使との面談の内容は後刻メモにし、事前に、大使のお目通しを経て、当会HPに掲載することにご了承を得た。
【インタビューの内容】
大使: フランコリーノ駐日大使に会われたか。外務省の経済総局長を含め経験豊富な外交官であり、日本でもご活躍していると聞く。
会長: 在京大使館佐藤大使秘書官から大使着任の連絡を受け、直ちに「表敬訪問」を申し入れたが、大使多忙のため、直ぐには実現しなかった。しばらくして、7月13日に日本ウルグアイ協会主催で「大使歓迎昼食会」を催し、昼食会の始まる前に、表敬訪問として施設のカフェで、大使ご夫妻と会談することができた。その後も11月29日に「紅葉鑑賞会」を催し、大使と令嬢をお招きした。
会長: ウルグアイのご赴任後の政経事情はいかがか。
大使: ウルグアイは、ビジネスチャンスの宝庫である。現地の邦人企業は21社あり、約10年間で3倍に増えた。まだまだ増える余地がある。また、ウルグアイからは日本にGenexusというITソルーションを提供する企業が進出している。
会長: 存じており、Genexus Japanの大脇社長は当会のメンバーである。
大使: IT企業に関連していえば、ウルグアイは伝統的に農林業が強いが、近年は、ITの分野でも存在感を増している。ソフトウェア―の輸出額は、南米第3位、人口一人当たりでは第1位であり、IT人材も豊富である。マイクロソフトが、米国外で3番目となるAIラボを設立することも発表されている。米国のIT企業の他、インドのタタ・コンサルタンシ―なども進出している。ウルグアイは、人口350万とマーケットのサイズは小さいが、農林業にせよ、ITにせよ、世界に輸出する生産拠点という発想でビジネスが来ていると思う。
会長: 2002年に着任して聞いた話では、米国政府は英国と日本にのみ許している「VISAフリー」のステータスをウルグアイにも許している。それは、空港通関施設がデジタル化しているからだと。また、タタ財閥が進出してきたのはウルグアイIT企業のコンテンツが欲しかったからだと。
大使: ウルグアイの経済にIT分野が占める割合は増えつつあり、GDPの1.6%(2012年)から、2022年には3.0%になり、10年間で倍増した。日本企業も関心を示しつつあり、例えば今年初めには日立が米国子会社を通じてウルグアイのIT 企業を買収し、800人のIT人材を確保すると報じられた。
会長: 在勤時、ウルグアイ政府は港湾の整備に注力していたが、どうか。
大使: ウルグアイ政府は港湾を整備し、国内各地にフリーゾーンを設置している。モンテビデオ近郊のフリーゾーン「ソナアメリカ」には、世界各地から350社が進出し、南米全体のオペレーションを見渡した物流の拠点として活用している。ウルグアイは、南米大陸のゲートウェイとしても存在感を示していると言える。さらにウルグアイ政府はクリーン・エネルギーの発展に注力しており、既に電力の97%が風力、水力などの再生エネルギーで賄われている。これを活用してグリーン水素を生産し、輸出産業に育てるという構想もある。このように、ウルグアイはビジネス・チャンスの宝庫であり、米国からは160社以上が進出し、欧州からも多数進出している。
会長: ところで、ラカジェ・ポウ大統領はどうか。
大使: 大統領はとても能力の高い方。先般訪日の際もJETRO主催「日本・ウルグアイビジネスフォーラム」で自らプレゼンテーションをされ、その姿に出席者は感銘を受けていた。英語も堪能で、タフな質問で知られる英国BBCの「ハードトーク」でも、そつなく質問をこなしておられた。各種改革にリーダーシップを発揮しておられる。
会長: 現地在勤時、彼の父は副大統領であり、かなり地味な存在であったが、それを見て、発憤して、頑張られたのかな。
会長: ところで、メルコスールの活動はどうか。自分の在勤時はあまりパッとしなかった印象であるが。自分の理解では、EUの独仏のように他のメンバー国のために犠牲を払う機構は域内貿易も6割を超え、発展しているが、他の地域機構にはそのようなリーダー国が欠けていて、メルコスールでもブラジルは国内に大きな「貧困層」を抱え、とても他のメンバー国の犠牲にはなれないからである。
大使: ウルグアイ国内では、ブラジルのルーラ大統領が就任してから、メルコスールが再度活発化していくものとの期待が高まっている。巨大な経済圏として、日本にとっても重要である。 (了)
