人 クローズアップ 2

日本ウルグアイ協会のホームページでは、人クローズアップ シリーズとして、日本に、ウルグアイに長く滞在し、活躍された、或いは活躍していらっしゃる、又はこれから活躍される方々を取り上げます。

今回は、新しく2021年10月に領事として来日され、2022年3月現在、臨時代理大使として任務に就かれているマキシミリアノ・ダ・シルバ氏に登場していただきます。日本語との関わりや留学時代を通して、日本に対する心の変化について語っていただきました。

マキシミリアノ・ダ・シルバ

日本ウルグアイ協会会員の皆様及びこのホームページを見てくださっている皆様、在日ウルグアイ大使館に勤務しておりますマキシミリアノ・ダ・シルバと申します。私は日本語との関わり、留学時代の思い出など、色々な体験を通して感じたことをお話しいたします。

日本語と日本文化への興味が始まったのは14歳の時でした。インターネットはまだ身近ではありませんでしたが、アニメや任天堂のゲームを通して少しは学ぶことができました。しかし、もっともっと学びたいと思っていました。その理由は、日本語が分かれば日本語版しかない大好きな『キャップテン翼』のゲームストーリーが分かるようになると思ったからです。

ところが、母からは「まず、将来に役に立つ英語を勉強しなさい。」と言われました。仕方なく、英語を先に勉強し、ウルグアイ共和国大学に入学してから日本語講座を受け始めました。日本人教師やウルグアイで活動しているJICAのシニアボランティアと交流することができ、とても嬉しかったです。私にとっては、日本がウルグアイから全くの反対側にある遠く離れた国だとは感じられませんでした。

日本語講座を5年続けている間に、色々な活動にも参加しました。例えば、スピーチコンテストに参加したり、上皇殿下の長女の清子様がウルグアイに来られた時には、学生代表としてウエルカムスピーチをする栄誉に預かったりしました。日本語能力試験を受けるために、日本語仲間と一緒に、普段はなかなか行けないアルゼンチンのブエノスアイレスに、行ったりしました。日本語の勉強のおかげで、とても楽しかった日々を過ごすことができたのは幸せでした。

2004年には、ウルグアイ代表として、国際交流基金のプログラムに参加することもできました。15日間、日本に滞在し、広島の安芸の宮島と原爆ドーム、京都・奈良の神社仏閣を訪れ、大阪では、新世界でたこ焼きを食べたりしました。東京で印象に残っているのは、大勢の人が行き交う渋谷スクランブルです。ウルグアイで勉強したことを自分の目で確かめられたことは、この上ない喜びでした。15日間だけでも、それなりの体験をすることができましたが、将来、長く滞在し、日本の良さをじっくりと味わいたい思いが募りました。

その思いが叶い、2007年に文科省の奨学金を得て、妻と一緒に静岡県立大学大学院に留学しました。日本に長く滞在する前は、J-popとかコスプレなどの東京のポップカルチャーを楽しみたいという思いが少なからずありました。

ところが、静岡に住んでみると、おいしいミカンを食べたり、緑茶を飲んだり、夏には、毎日セミの鳴き声を聞いたり、天気のいい日に、美しい形状の富士山を眺めたり、緑の自然に恵まれた静岡を3年間体験した後では、日本で一番好きなのはその自然だと思うようになりました。

現在、領事として来日し、大使不在の間、在日ウルグアイ大使館で、臨時代理大使として務めております。世界の国々の食べ物やワイン、中南米で嗜好されている葉巻までもが手に入ります。外国人も多く、日本にいて、知らない世界の国々の文化、習慣に触れることできる素晴らしい東京を楽しんでいますが、間違いなく真の日本の良さは静岡などの地方にあると言えます。そこには、茶畑などの緑の風景、眺めとしての山々、林や森の中の木々の湿度の匂い、家庭料理の味など、伝統的に受け継がれた文化があります。しかし、その生活に慣れるためには、日本語の勉強だけでなく、様々な日本の文化習慣を前もって学んでおく必要があります。

私の静岡での3年間がうまくいったのは、日本語を勉強し、大学院での授業をまじめに受け、日常の生活においては、東京にはない風習にも理解しようと努力したお陰で、日本の習慣に慣れることができたからだと思います。

ところが、2010年、ウルグアイに戻りましたが、余りにも居心地よい静岡の生活に慣れ親しんでしまった私たちは、自国で逆カルチャーショックを受けてしまったのです。また日本に戻りたいと強く感じていました。ウルグアイの日常生活を取り戻しながら、その願いが10年余りで現実となり、この上ない喜びを感じています。

まだまだ未熟な私たちですから、日本滞在中に、できるだけ多く体験し、更に日本を理解したいと思っています。妻も私も、地理的に遠く離れた日本とウルグアイが一緒になって心の中で手を取り合っています。仕事として、楽しみとして、絆を大事にし、両国の発展のために精一杯使命を果たそうと思っています。どうぞよろしくお願い致します。

富士山5合目で
静岡市国際交流のグループの人たち
静岡で大変お世話になった人と