ワーキングホリデー③ 佐川 由花さん

今回の「特集」『ワーキングホリデー』は、ウルグアイのワイナリーでお仕事をなさって帰国された佐川 由花さんから原稿をいただきました。 佐川さんは現在、山梨県のワイナリーにお勤めです。

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ウルグアイにワーキングホリデーに行ったよ、と言うと、「なぜウルグアイに?」「ウルグアイってどこにあるの?」と聞かれます。サッカー好きな方なら、「強豪だよね」と反応されることも。私がウルグアイを選んだ理由は、ワインでした。最近、ウルグアイワインはとても品質が上がっていて、ソムリエ教本にも掲載されているのです。私がこの国を知ったのも、ソムリエ資格の勉強中でした。他にも、国際情勢や自然災害の有無、日本人の少なさ、日本から最も遠い国であること、日本からのワーキングホリデーの前例がないこと…など、安全面と冒険心のバランスをとりながら、渡航を決めました。

2024年5月中旬に渡航すると、初めて体験する湿った冬が待っていました。出発前に、Academia Uruguay という、首都モンテビデオの旧市街にある語学学校を予約しました。また、そこで学ぶ約1ヶ月の間、学校斡旋のホストと生活することにしました。この学校はとてもおすすめです!私は当時スペイン語はほとんど何も話せませんでしたし、ウルグアイ訛りは特徴的で、最初は苦労しました。でもこの学校で、楽しく基礎を学べました。7月には、なんとか現地の身分証 Cédula(マイナンバーカードのようなもの)を得、そしてワイナリーでのお仕事に採用されました。これは、ウルグアイで出会った、今は家族といえる人たちが、たくさんたくさんサポートしてくれたおかげでした。

ウルグアイは、多くの問題を抱えた国ではあります。一つはドラッグです。国が薬物を管理するとして、合法的にマリファナが流通していますが、依然違法ドラッグも出回っており、健康や治安に悪影響を与えています。街の衛生面や浮浪者の多さ、物価の高さ、スリや強盗も課題です。一方で、真面目に一生懸命働き、勉強し、心から他人を助けたいと思い、時には自身も顧みず手を差し伸べてくれさえする、愛情深いウルグアイ人たちと、私は出会いました。生活を共にした家族や、職場の人々、手続きで訪れた場所の窓口の方々まで。彼ら彼女らなしには、ウルグアイで暮らすことはできませんでした。そしてウルグアイは、ひたすら続く平地の景色が素晴らしいです。地平線まで続くブドウ畑や、何にも邪魔されず上る朝日の景色は、日本にはありません。野生のハチドリやオウムも、見かけると感動します。春に紫色の花が咲くジャカランダ(jacarandá)の木は大好きになり、帰国してから苗木を買って育てているくらいです。

さて、せっかくなのでここでは、ウルグアイで訪れるべき場所をいくつかご紹介します。

ランブラ(Rambla):首都モンテビデオの海岸線に続く、美しい街道です。マテ茶を飲みながら歩けば、ウルグアイ人になれます。

ランブラからの眺め

 

ランブラの夕日
ワイナリー(Bodegas):ウルグアイのワイナリーをぜひ訪れてみてください。レストラン併設のボデガなら、きっと自慢のアサード(バーベキュー)と素晴らしいワインをペアリングしてくれます。

働いていたワイナリーの景色

職場に来た野生の小鳥
ピリアポリス(Piriápolis):実業家ピリア氏が作った、穏やかな海沿いの街です。首都モンテビデオからのバスでのアクセスもいいです。アイスクリーム店El faroに立ち寄ってみてください。

ピリアポリスの港(波止場でアザラシが寝ている)

 

El faro のアイスクリーム

ここまでお読みいただきありがとうございました。ウルグアイは地球の裏側にあります。辿り着くまでのフライトは30時間以上。でも、心から行って良かったです。出会うべき人が、こんなに遠いところにいたんだと、今は知っています。

最後に、私のウルグアイワーキングホリデーを支えてくれたすべての方々へ感謝申し上げます。

Muchísimas gracias.  Y VAMO’ ARRIBA!